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 タイ政府は経済および技術発展のため、“外資誘致(外貨獲得)”と“自国資本の保護・育成”を同時に促進するため、「BOIの投資奨励法」と「外国人事業法」という二つの法律(外資法)を使い分ける投資政策を採用しています。

 タイ進出の際には「投資奨励法」に基づく投資奨励業種(奨励業種リストはhttp://www.boi.go.thを参照)に適合するか否か、最初に確認をされたほうがよいでしょう。適合していれば、各種の恩典(税制面および非税制面)が享受できるため、ほとんどの外国企業がタイ進出の際、まずBOIに投資奨励申請を行います。製造業であれば殆どの事業が適合するようです。

 主なBOIの恩典としては「法人所得税の減免」「機械・設備の輸入関税の減免」「輸出用製品の原材料の輸入関税免税」などがあり、その減免率や減免期間が各ゾーン別に定められています。タイの産業政策のひとつに「産業の地方分散、地方産業の振興、所得格差の解消」を目的とする「バンコク一極集中の排除」があり、BOIでは1987年以来全国を3つのゾーンに分類し、バンコクから遠くなるほど手厚い恩典を与える政策が採用されているためです。一方で、金型製造、ソフトウェア開発等の特定の産業については、産業集積を促進するため、投資地域(ゾーン)を問わず高い特典を付与しています。

 また、外資が50%以上の資本を保有する場合、特定の業種については「外国人事業法」による参入規制・事業規制の対象となりますが、BOIが認可する事業については、規制外となり外資100%での進出が認められます。

 ただし、BOIの恩典の内容はタイ国工業団地公社(IEAT)の運営する工業団地に入居するか否かでも内容が異なっています。タイ政府は、公害など工場が近隣住民へ及ぼす影響を考慮し、工業団地内での操業を奨励しているため、工業団地外で操業する場合、恩典は極めて薄いものとなっているためです。

■ BOIの投資奨励案件

 以下の投資奨励案件に該当する業種が対象となるが、いずれもタイの産業高度化、雇用促進に役立つ業種である。タイの発展に役立つ業種であれば、委員会において審議され付け加えられる。

・ タイの産業の技術力を高める場合(技術移転能力)
・ タイ国内の原材料を利用する場合
・ 基本的なサポーティング(すそ野)産業
・ 外貨獲得能力を有する場合
・ 首都圏以外の地方の経済発展に貢献する場合(雇用促進など)
・ インフラの発展に貢献する場合
・ 天然資源を保存するもの
・ 環境問題を減少させるもの

 上記のBOI投資奨励案件以外にも、2005年に東京で行われたBOIセミナーによれば、以下のような項目も奨励されています。

・ 長期投資
・ 高付加価値を創造する活動
・ バリューチェーンの現地化
・ 知識ベースのスキルとテクノロジー
・ 高い輸出額

■ BOIの基本的な恩典

 BOIは投資奨励策として、BOI認可企業に対して、タイ、外資系の企業の区別無く、タイ国内(特に地方)の産業促進のため、税制上の特典および非税制上の恩典を付与しています。BOIの恩典は会社ごとではなくプロジェクトごとに与えられ、プロジェクトが行われる地域により恩典の内容は異なります。通常、バンコクから離れれば離れるほど恩典が厚くなります。

【税制上の特典】

・ 最大で8年間の法人所得税の免除
・ 設備投資用機械の輸入税の免税/減税
・ 輸出向け製品に使用される原材料の輸入/獲得のサポート(輸入税の免税/減税)

【非税制上の特典】

・ 外資事業規制の緩和(100%の外資企業の設立および事業の許可)
・ 外国人投資家に対する、法人名義による土地所有権の許可
・ 外国人専門家/技術者の就労許可
・ 外国人就労許可手続の緩和(ワークパーミット及びビザの取得/延長手続きの円滑化)

※ BOIの恩典に関する詳細については、別項「BOIの恩典に関して」をご参照ください。

参考

BOIホームページ

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