ユーザー名 パスワード
クイック検索
キーワード

電車パープルライン事業 日本企業連合がシステム受注

 丸紅と東芝は一一月六日、両社が出資する共同事業体を通じて、バンコクの都市鉄道パープルライン向けの鉄道システムと10年間のメンテナンス事業を受注したと発表した。バンコクで建設中の電車路線であるパープルライン・プロジェクト。鉄道システム一式を供給するほか、JR東日本を含めた3社が車輌や各種地上設備についてトータルでメンテナンスを行なう事業を手がける。車輌はJR東日本グループの総合車両製作所が供給する。バンコクの都市交通に日本製車輌が初めて採用され、また日本の鉄道事業者を含めた企業連合が海外での鉄道メンテナンス事業に参画する初めてのケースになる。
 
 電車パープルラインは、バンコク北部のバンスー地区とチャオプラヤ川対岸の北西郊外にあるバンヤイ地区を結ぶ路線で、総延長は約23㎞。16の駅が設けられる。運営主体は地下鉄を運行するSET上場企業のバンコク・メトロ社(BMCL)で、営業開始は二〇一六年頃を予定している。このプロジェクトには日本政府による円借款が供与されている。建設はチョー・ガーンチャン社(CK)が受注している。
 
 丸紅と東芝はBMCL社から調達の委託を受けたCKとの間で鉄道システムの供給契約を締結している。車輌、信号・運行監視設備、変電設備、通信設備などのシステム一式を納入する。3輌編成のステンレス製車輌21編成(63輌)を総合車両製作所が新造する。
 
 またJR東日本、丸紅、東芝の3社は、BMCLとの契約の下、車輌や各種地上設備についてトータルで10年間のメンテナンス業務を実施する。実施にあたって、3社の共同出資による新たなメンテナンス会社をバンコクに設立する。設立時期は今年一二月を予定しており、車輌、信号、軌道、電力、ホームドア、自動運賃収受システム、鉄道車両基地設備などのメンテナンスが主な業務になる。
 
  丸紅はフィリピン、ベネズエラ、ドバイなどで鉄道ターンキープロジェクトを手がけており、東芝も台湾の高速鉄道プロジェクトで実績がある。これにJR東日本グループの総合的な鉄道技術を持ち寄ることで、バンコクの交通問題の緩和や地域経済の発展に役立つよう取り組んでいくとしている。



日付 : 2013年11月11日

By : 週刊タイ経済

登録