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自動車の物品税 CO2排出ベースに改革

 タイ政府は一二月一八日の閣議で自動車の物品税制の改革案を承認した。現在、エンジンの排気量を基準に異なる税率を定めているが、これを二酸化炭素(CO2)排出量ベースに改める。自動車の物品税制改革案は民主党政権が原則認可していたもの。プアタイ党政権は、この政策を引き継ぎ、財務省、工業省とエネルギー省が詳細の検討を進めてきた。この日の閣議で最終承認した案では調整期間は3年間。自動車メーカーは、技術の調整や生産計画の準備に少なくとも5年は必要と主張しているが、政府は3年で十分と判断した。

 新税率はCO2排出量と代替燃料での走行が可能かどうかで複雑に細分化され、乗用車の場合、10%から50%までの幅がある。エンジン・サイズの基準も残り、排気量3000㏄以上の大型車はCO2排出量に関係なく50%の税率が課される。エコカーの物品税率は17%だが、E85燃料に対応すると12%に下がる。1トン・ピックアップは3%で、CO2排出量が1㌔㍍あたり200㍉㌘を超える車種だと5%になる。

 タイ自動車工業会のピアンチャイ・ケーオスワン会長は、3年間では短すぎると指摘している。とくに影響が大きいのは、乗用車よりもプロダクト・サイクルが長いピックアップ・トラックと同派生車種。同会長はCOS排出ベースの税金構造はグローバル・トレンドだが、複雑すぎるとも指摘した。また物品税局が設定した排出レベルがタイに適当かどうかも分からないとしている。タイ工業連盟(FTI)自動車部会の広報も調整期間が自動車メーカーの唯一の懸念だと述べている。

 ある自動車業界筋は、CO2排出量に加え、代替燃料も税率の基準に据えたことで、税率の矛盾が生じると指摘している。ハイブリッド車は税率が優遇されるため、CO2排出量が同じでもハイブリッド車のほうが税率が低くなる。またエンジン排気量が3000㏄以上の大型車でも小型車並みのCO2排出量を実現しているモデルもあるが、税率は従来のまま据え置かれる。


日付 : 2012年12月24日

By : 週刊タイ経済

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