タイの自動車生産 年間300万台早期達成も
タイ自動車インスティチュートのパティマー・ヂラペート所長は、このほど開かれた国際会議「タイランド・フォーカス2012」で講演し、自動車生産台数が年間300万台に達する時期が当初の見通しよりも早まるとの見方を示している。一二年の生産台数は220万台に達する見通し。
パティマー所長は、ミャンマーの経済開放にともなう同国の新車需要の拡大が、タイの自動車工業の成長を加速させる可能性があるとしている。自動車インスティチュートはミャンマー市場の研究をまだしていないが、その規模はタイの自動車生産をインスティチュートが考えるよりも速く成長させることができると述べている。現在の予測ではタイは、二〇一五年までに年間300万台に達する見通しとなっている。ASEAN諸国の中ではミャンマーやラオスは自動車を生産しておらず、タイの自動車工業の市場になっている。
タイ工業連盟(FTI)自動車部会のスパラット・シリスワンナンクン部会長は、ミャンマーの輸入規則などが確立される来年にはタイからの完成車のミャンマー向け輸出が増え始めるとしている。しかしタイの自動車生産が年間300万台規模に達するのには5年はかかると予測している。タイ国トヨタ自動車の上級副社長でもあるスパラット氏は、一二年のタイの自動車生産が220万台の予測から上振れし、230万台に達する可能性があるとしている。昨年の洪水後の新車需要に加え、政府の初めての新車購入に対する税還付政策が市場を刺激している。FTI自動車部会によれば今年一~七月の生産台数は127万365台で、前年同期を32・63%上回っている。向こう3か月の生産台数も月間20万台を上回るペースを維持する見通しで、一一月中にも史上初めて200万台に達する見通し。
タイの自動車工業にとって、重要課題は人手不足。二〇年まで毎年10%のペースで自動車生産が拡大するとした場合、年間4万人の労働力が新たに必要になる。
タイ自動車部品工業会のアチャナー・リムパイトゥーン会長は、一五年のASEAN経済共同体(AEC)発足で、熟練労働者不足は一段と進むと警戒している。タイは自動車部品分野においてASEAN域内で最も長い経験を有しているため、AECの枠組の下で熟練労働者の移動が自由になると、誰もがタイの熟練労働者に目をつけることになるとしている。自動車部品産業の雇用は二〇一〇年時点で約45万7000人。自動車生産の増加にともない毎年4~5万人の労働者が新たに必要になるとしている。アチャナー女史は労働者不足への対応で、部品業界は省力化の努力が必要になると指摘している。
日付 : 2012年09月10日
By : 週刊タイ経済
パティマー所長は、ミャンマーの経済開放にともなう同国の新車需要の拡大が、タイの自動車工業の成長を加速させる可能性があるとしている。自動車インスティチュートはミャンマー市場の研究をまだしていないが、その規模はタイの自動車生産をインスティチュートが考えるよりも速く成長させることができると述べている。現在の予測ではタイは、二〇一五年までに年間300万台に達する見通しとなっている。ASEAN諸国の中ではミャンマーやラオスは自動車を生産しておらず、タイの自動車工業の市場になっている。
タイ工業連盟(FTI)自動車部会のスパラット・シリスワンナンクン部会長は、ミャンマーの輸入規則などが確立される来年にはタイからの完成車のミャンマー向け輸出が増え始めるとしている。しかしタイの自動車生産が年間300万台規模に達するのには5年はかかると予測している。タイ国トヨタ自動車の上級副社長でもあるスパラット氏は、一二年のタイの自動車生産が220万台の予測から上振れし、230万台に達する可能性があるとしている。昨年の洪水後の新車需要に加え、政府の初めての新車購入に対する税還付政策が市場を刺激している。FTI自動車部会によれば今年一~七月の生産台数は127万365台で、前年同期を32・63%上回っている。向こう3か月の生産台数も月間20万台を上回るペースを維持する見通しで、一一月中にも史上初めて200万台に達する見通し。
タイの自動車工業にとって、重要課題は人手不足。二〇年まで毎年10%のペースで自動車生産が拡大するとした場合、年間4万人の労働力が新たに必要になる。
タイ自動車部品工業会のアチャナー・リムパイトゥーン会長は、一五年のASEAN経済共同体(AEC)発足で、熟練労働者不足は一段と進むと警戒している。タイは自動車部品分野においてASEAN域内で最も長い経験を有しているため、AECの枠組の下で熟練労働者の移動が自由になると、誰もがタイの熟練労働者に目をつけることになるとしている。自動車部品産業の雇用は二〇一〇年時点で約45万7000人。自動車生産の増加にともない毎年4~5万人の労働者が新たに必要になるとしている。アチャナー女史は労働者不足への対応で、部品業界は省力化の努力が必要になると指摘している。
日付 : 2012年09月10日
By : 週刊タイ経済