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トヨタ、日産自動車 新車販売目標を上方修正へ

 タイ国トヨタ自動車のニンナート・チャイティラピンヨー副会長は六月一二日、サイアム商業銀行主催のASEAN経済共同体(AEC)をテーマとしたセミナーでの会見で、トヨタがタイ国内での目標販売台数の上方修正を検討していることを明らかにした。現時点の目標販売台数は45万台。国内3工場の生産台数は85万台を見込んでおり、輸出向けと国内市場向けが半々になる。
 
 今年一~四月のタイの新車販売台数は36万7109台で、前年同期を20・0%上回っている。トヨタの一~四月の販売台数は15万2193台で前年同期比29・2%増を記録した。トヨタの乗用車の販売台数は6万5150台で、前年同期比17・0%増、ピックアップ車(PPV含む)の販売台数は6万9044台で36・5%増だった。トヨタの四月の販売台数は3万1004台で、前年同月比27・9%増だった。乗用車の販売台数は1万3939台(前年同月比19・6%増)、ピックアップ車(PPV含む)の販売台数は1万5282台(30・3%増)だった。

 ニンナート氏は、一二年のタイの新車販売台数が初めて年100万台の大台に乗り、110万台に達すると予測している。とくに五月の新車販売は乗用車の販売台数がピックアップトラックを初めて上回ったもよう。小型乗用車は、政府の初めての新車購入スキームによる税還付もあり、需要が伸びる傾向にある。ニンナート氏は、乗用車の販売台数がピックアップ車を上回る傾向は続くと期待していると述べている。

 一一年のタイの新車販売台数は79万4081台、前年同月比0・8%減にとどまったが、新車需要が伸び悩んだわけではなく、東日本大震災とタイ大洪水による部品不足で、新車の供給が減少したことが理由。このため新車販売台数でインドネシアに抜かれ、東南アジアで最大市場の地位から転落したが、今年の新車販売台数はインドネシアを抜き返すものと期待されている。今年のASEAN全体の新車販売台数は300万台が見込まれている。

 一方、日産自動車タイランドの木村隆之社長は、今年の目標販売台数を10万台、市場シェアで10%に設定したことを明らかにした。今年タイで3つの新モデルを導入する。二〇一一年に発表した中期経営計画「パワーアップ2016」の一環。同経営計画では、商品ラインアップの拡充と10車種の新車投入によって商品力を強化し、タイでの一六年度の市場シェアを一〇年度の7・4%から2倍以上に引き上げることを目標としている。日産は、タイ政府が独自に設けたエコカーの基準を満たすマーチの販売が好調で、セダンタイプのもう一つのエコカー「アルメーラ」も売れている。日産は販売の伸びに呼応してディーラー網も拡張する計画で、今年は全国でショールーム20店を増やすことにしている。またサービスの質向上プログラムも開始することにしている。

 木村社長は、第2四半期中にコンパクト・セダンの新モデルを導入することを明らかにしている。また今年終わりに別の2モデルも導入する。新モデルの投入と、ディーラー網の拡充で、二〇一三年三月期末の一二年度の販売台数を10万台超に引き上げ、10%の市場シェアを確保する。なお日産は一一年度に7万6524台を販売し、市場シェアは9・2%だった。とくに最終月の三月の販売台数は1万2698台を記録し、単月の販売台数で過去最高を更新した。

 木村社長は、日産がエコカー・セグメントのリーダーで、ハッチバックとセダンの両方でエコカーを提供する唯一のブランドであることを強調している。


日付 : 2012年06月18日

By : 週刊タイ経済

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