ユーザー名 パスワード
クイック検索
キーワード

小売で海外事業強化 欧州百貨店の改装に100億B セントラル・グループ

 流通大手のセントラル百貨店グループは海外事業を強化する。特に欧州では相次ぎ買収した老舗百貨店の改装に2022年までに100億バーツを投じる計画。欧州事業の売上高は年間約13億ユーロ(510億バーツ)だが、今後は年率20%の売上増を目指し、20年時点で20億ユーロを達成することを目標に掲げた。

 セントラル・デパートメントストア・グループのユワディ・ヂラティワットCEOは、欧州の百貨店事業の強化はグループの投資戦略の中心を成していると説明している。セントラル・グループは11年にミラノの老舗百貨店のラ・リナシュンテを買収したのを皮切り、ドイツ、デンマークで相次ぎ有名百貨店を買収。これまでに買収費用と改装費用合わせて400億バーツを超える資金を投じてきた。100億バーツの追加投資は欧州の主要都市の旗艦店の改装に使う。

 ラ・リナシュンテはミラノの旗艦店を含めイタリア国内で11の百貨店を経営している。来年には2億ユーロを投じたミラノの新店が開業予定で、もう一つの旗艦店と位置づけている。またセントラル・グループはベルリンにあるドイツ最大級の百貨店の「カーデーヴェー」も経営しているほか、ミュンヘンの高級百貨店「オーバーポリンガー」、ハンブルクの高級百貨店「アルスターハウス」、コペンハーゲンの百貨店「イルム」も経営している。

 ユワディCEOは、「世界の中で最良の百貨店になりたい」と述べた。欧州で経営する百貨店は、その都市を訪れる者が、その都市を実感できるようなシティストアを目指すとしている。欧州店舗の売上高は、14年時点でグループの総売上の25%だったが、昨年は30%に伸びており、今年は最高で40%を目指している。

 同グループの今年の総売上高目標は1200億バーツ。20年時点では1800億バーツを目指す。タイ国内では21のセントラル百貨店、42のロビンソン百貨店があるが、今後も出店を増やしていく。セントラルは毎年1、2店、ロビンソンは毎年3~5店を出していく計画。

 同グループはベトナムの「ビッグC」を買収するなど同国での小売事業に資金を重点的に投下する方針で、欧州では新たな百貨店の買収や新設はペースダウンするものの、ユワディCEOは欧州で引き続き事業拡張のチャンスを模索していくと述べている。

 セントラル・グループのトット・ヂラティワットCEOは海外事業について、重視するのは欧州とアセアンだと説明している。アセアンではフランスのカジノ・グループから366億バーツでビッグCを買収したベトナムが中心。今回の買収で33の店舗に加え、その子会社が所有するコンビニ10店、ショッピングモール30か所を手中に収めた。ベトナムのビッグCは来年を目処に店舗名称を変更する。ベトナムではこのほかにハノイとホーチミン市でロビンソン百貨店を経営している。


日付 : 2016年06月20日

By : 週刊タイ経済

登録