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首都の公共交通機関 共通チケットを導入へ

 ソイティップ・トライスート運輸省次官は三月一一日、都市の公共交通機関の共通チケットの導入のため官民合弁事業を設ける計画を明らかにした。運輸交通政策企画事務局が検討しているもので、近く運輸省を通じて閣議に提出する。

 ソイティップ次官によれば、運輸大臣が統轄する国家委員会を新設して、共通チケット制度を監督する。国家委員会は運輸省、国家経済社会開発委員会(NESDB)事務局、予算局、国営企業政策事務局、公的債務管理事務局、消費者保護委員会事務局、タイ中央銀行や公共交通機関の事業者が委員に就く。合弁事業は運賃のクリアリングハウスとして機能する。共通チケットは当初、タイ高速道路公団(EXAT)の高速道路と高架電車のBTSで導入し、追ってバンコク・バス公団(BMTA)の市バス、船上バスのチャオプラヤ・エクスプレス、地下鉄のMRT、エアポート・レール・リンク、チョンブリ自動車道や現在、建設中の電車プロジェクトなどに拡大する。ソイティップ次官によれば、官民合弁事業の政府の出資は40%で、民間は共通チケット・システム運営の専門技術を有した海外の事業者を想定している。合弁事業の設立は年内を見込んでいる。共有チケットのシステム設計は今年七月までに終える。システムの導入は今年八月から来年二月にかけて行ない、来年三月から八月までの試験運用を経て商業サービスを開始する。

 一方、プラチン・チャントーン運輸相は一二日の談話で、BTSとMRTの電車の共通チケットの導入が来年初めにも実現すると語っている。

 政府は電車ブルーラインの延長区間の運行権をめぐるバンコク・メトロ社(BMCL)との交渉で年内の期限を設ける方針。プラユット首相は三月九日、同延長区間のチャオプラヤ川底下のトンネル工事の開始式に出席し、BMCLが延長区間の電車も運行したければ、できるだけ早く交渉を進めなければならないとのコメントを残している。

 現在、開発中のブルーライン延長区間はバンスー~タープラ区間とフアラムポーン~バンケー区間。バンスー~フアラムポーン区間は、タイ初の地下鉄として二〇〇四年に開通しており、BMCLが運行権を持つ。プラユット政府は、利用者の利便性を優先するため、全区間を一体運行する方針で、BMCL社に運行権を付与する考えでいる。

 開発主体のタイ電車公団(MRTA)のヨットユット・ブンヤティカーン理事長は、交渉は今年中に終えなければならないと述べている。MRTAは内閣が許可すれば直ちにBMCLとの交渉に着手することにしている。延長区間の開通は二〇一七年の予定。延長区間を運行する車両の調達にはおよそ3年が必要になるため、今から交渉を始めないと開通に間に合わないとしている。

 BMCLの設立母体で、筆頭株主のチョー・ガーンチャン社のプリウ・トリウィサワウェートCEO兼社長は、BMCLが延長区間も運行する用意はできていると述べている。プラユット首相は、MRTAとBMCLが先に交渉を行ない、交渉が決裂する場合には、入札で運行事業者を選出することになると述べている。


日付 : 2015年03月16日

By : 週刊タイ経済

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