ユーザー名 パスワード
クイック検索
キーワード

日産タイ 売上2%増を期待 今年度 シェア拡大狙う

 日産自動車(タイランド)は、2016年度(16年4月~17年3月)の売上について前年比2%増を見込んでいる。プラパート・チュアイチョーム上級副社長によれば、今年度の目標販売台数は前年比でマイナス13・4%にとどまった15年実績の4万9032台を上回る5万台に設定しており、タイ国内市場シェアは従来の6・5%から7%に拡大する見込み。自社の販売台数は微増にとどまるものの、市場シェアは上昇すると見ているのは、国内市場規模が7~8%落ち込んで73~74万台程度に縮小することが理由。

 同社は政府によるモーターウェイの建設や鉄道の複線化事業など多くのメガプロジェクトが計画されている中で、今年下半期以降自動車市場も活況を取り戻す可能性があると期待している。

 同副社長は、日産の売上高の7割を占めるピックアップ車とエコ・カーに重点を置いた市場戦略を展開していく考えを明らかにしている。この2車種は比較的廉価で消費者が購入しやすいため。

 日産はインラック政権時代の2012年に過去最高の13万8000台を売り上げたが、13年には7万4000台に、14年には5万6600台(対前年比23・5%減)に激減している。

 昨年10月にハイブリッド車の生産を開始したサムットプラカン県のバンナー・トラート道路沿いにある工場は、日本以外では初のハイブリッド車生産ライン。ローカルコンテンツ70%を実現しており、今後の生産拡大を見込んでいる。ただ電気自動車(EV)など次世代型クリーンカーの早期導入については、「まだ価格が高く、タイ市場への導入は早過ぎる」との判断で、慎重な姿勢を示している。

 一方、三菱自動車工業(タイランド)の一寸木守一社長は、2016年度の販売台数が2年連続でプラスになると期待している。今年3月末までの15年度の販売台数は6万3581台で、前年を8%上回った。ピックアップ・トラック派生SUVのパジェロ・スポーツの人気が続いている。同社の今年度最初の2か月間の販売台数は7856台で、前年同期を11・3%上回っている。一方、昨年度の完成車と完全ノックダウンを合わせた輸出台数は30万2404台で、前年比5・5%減となったものの、今年度は33万6000台を見込んでいる。


日付 : 2016年07月11日

By : 週刊タイ経済

登録