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「アジアにサロンを」 6年で海外6か国に拠点 レンタルオフィスのクロスコープ 庄子 素史 社長

 「雑談してガス抜きもでき、情報交換もできる日本人の『サロン』を、アジア各国に広げたい」

 レンタルオフィスを海外展開するクロスコープ・グループ。今年4月にバンコク拠点を開設した庄子素史社長(41)は経営者でありながら、勉強会や懇親会を開いて入居企業同士をつなぐ仕掛け人だ。

 2011年に初の海外拠点をシンガポールに開設後、インドネシア、インド、ベトナム、フィリピン、タイと6年間で海外6か国に拠点を広げ、累計で500社以上の進出企業を支援している。各国において入居企業の多くは、その国に初めて拠点を持つ日系企業だ。

 入居企業の日本人駐在員の中には初めての海外赴任という人も多い。庄子社長は「人同士がつながれば精神面でも支え合える。もちろんビジネス面でも」。自身も新規拠点の立ち上げで色々な悩みを抱えた。その都度、サロン作りへの思いは増した。

 6年間で6か国。その展開の速さに、さまざまな経営者から助言を求められることも。庄子社長は「今も走り続けています」と笑う。タイ拠点の開設後も、住まいがあるシンガポールから頻繁に来タイし、現地社員に具体的な改善内容を指示する。

■拠点間の連携強化も

 昨年末に発足したASEAN経済共同体(AEC)。バンコク拠点を開設した背景には、その中心に位置するタイがハブ的な存在を担うことが期待されていることや、中小企業の日本から進出数が近年伸びていることがあるという。

 日本を含めるとアジア7か国に拠点を持つクロスコープ。庄子社長は「入居企業であれば、拠点の枠を越えて他の国の拠点が利用できる」と話す。例えばタイから他の国に出張時、1時間単位でオフィスや会議室を利用できるのは、複数国に拠点がある同社ならではだ。

 「まだまだ走り続けたい」と庄子社長。全力疾走で走りながら試行錯誤の日々が続く。


日付 : 2016年06月20日

By : 週刊タイ経済

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