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新四輪車工場が開所 プラチンブリ県、世界に輸出

 ホンダのタイにおける四輪車の生産・販売合弁会社であるホンダ・オートモービル(タイランド)社は12日、プラチンブリ県のロジャナ工業団地に新設した四輪車工場のオープニング式を実施した。式典には、ソムキット・チャトゥシーピタック副首相をはじめとするタイ政府関係者や、在タイ日本大使館の佐渡島志郎大使も出席した。ホンダの八郷隆弘代表取締役社長は「高効率で環境に優しい生産技術を導入したこの新工場で、質の高い製品をタイならびに世界の顧客に届けたい」と述べ、ホンダの重要な四輪車生産拠点の一つとしての役割を強化していく考えを述べた。

 プラチンブリ新工場は「人の作業と先進技術を最適化し、品質の高い製品を市場に提供する」というコンセプトに基づき、最新、高効率の生産技術を採用した。四輪完成車の量産では世界で初めて完成車組立のメインラインに組み込まれる流動型のセル生産方式ラインの「アークライン」を採用した。また日本の最も先進的な四輪車工場である寄居工場に導入した革新的で環境に優しい生産技術も受け継いだ。

 プラチンブリ工場は、昨年10月に樹脂工場、今年2月にエンジン工場が稼働し、今年3月から新型「シビック」の量産を開始している。新工場は、生産工程で使用された冷却水を再利用する「水搬送」を採用、屋根から自然光を取り込んだ「スカイライトルーフ」の採用など環境にも配慮している。新工場の投資額は約171億5000万バーツ、完成車の年産能力は12万台。

 オープニング式典の主賓として招かれたソムキット副首相は、「自動車産業はタイ経済の発展にとって極めて重要で、ホンダがタイを戦略的な生産および輸出拠点として位置づけ、環境に配慮した先進的な技術を投入することを歓迎する」と述べた。

 八郷社長は、タイは国内市場のみならず、アセアン市場を含む全世界へ完成車および部品を供給することで、ホンダの生産拠点の一つとしての存在感を高めてきたと述べ、プラチンブリ工場の完成にともない、タイの役割をこれまで以上に価値のあるものにしていきたいとしている。また安部典明アジア・大洋州本部長は、シビックに加え、将来はプラチンブリ工場で生産する小型車モデルを増やし、タイ市場ならびに輸出向けの競争力を強化すると述べている。


日付 : 2016年05月16日

By : 週刊タイ経済

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