工業省工業振興局は28日、中小企業の資金繰り支援で14の銀行と覚書（ＭＯＵ）を交わした。タイ輸出入銀行、農業・農協銀行、クルンタイ銀行、政府貯蓄銀行、バンコク銀行、アユタヤ銀行、サイアム商業銀行などが加わっている。年内に５００社、総額19億バーツの融資の実行を目標としている。

　ＭＯＵ署名式に立ち会ったアチャカー・シーブンルアン工業相は、中小企業が、市場、労働力、生産技術に加え、資金アクセス面でも大きな問題を抱えていると指摘。工業振興局が銀行に中小企業向け融資で協力を呼びかけた経緯を説明している。中小企業は良好なビジネス・プランを欠く、担保がない、あるいは新規の起業で返済履歴がないなどの理由で資金にアクセスできずにいる。

　このプログラムでは、工業振興局が実施している各種の中小企業事業者向け研修を受けている企業から有望先をリストアップし、参加する銀行に紹介する。銀行は自行の与信基準や条件に沿って融資を実行する。融資先が与信方針にそぐわない場合には工業振興局に連絡し、同局が改善に向けた支援を行う。同局はすでにタイ中小企業開発銀行（ＳＭＥバンク）との間で、このプログラムを先行実施しており、７８３社が計27億４４９３万バーツの融資を受けている。


日付 : 2016年02月01日

By : 週刊タイ経済