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来年から4G時代本格化 最大4事業者が商業サービス

タイの移動通信は、国家放送通信委員会(NBTC)による今月と来月の4G移動通信向け周波数入札を経て、来年初めにも4G通信の時代を迎える。1800メガヘルツ、900メガヘルツの両周波数で、最大4社のキャリアが誕生予定。免許を取得する事業者は、新たな周波数での4Gのサービス開始一番乗りを競うものと予想され、早ければ16年第1四半期中にも商業サービスが始まる。各社がネットワーク建設の設備投資を急ぐことや、ワイヤレス・ブロードバンド・インターネットの普及によるモバイル・インターネットを通じたベンチャー・ビジネスの拡大は16年の景気を牽引する要素の一つになりそうだ。
 現在、タイの移動通信市場は2Gから3Gにほぼ完全に移行しており、ユーザーはモバイル・ブロードバンドに馴染んでいる。3G移動通信は、AIS、DTAC、トゥルー・ムーヴの民間大手3社がすでに人口カバー率90%以上のネットワークを構築済み。低価格のスマートフォンも入手可能で、キャリアも自社ブランドのスマートフォンを割安な料金パッケージと合わせて提供している。
 カシコン・リサーチ・センター社(Kリサーチ)はモバイル・ブロードバンド・インターネットのユーザーは15年中に3460万人と、14年時点の2310万人から急増すると見積もっている。2・1ギガヘルツの3G移動通信用周波数を取得した3Gキャリアの一部は、15メガヘルツのバンド幅の一部を使ってすでに4Gサービスを開始している。16年に3Gと4Gを合わせたユーザー数は3840~3970万人となり、15年比で11・0~14・7%増加すると予測している。総人口の60・4~62・6%を占める計算。一方、キャリアによる設備投資は、既存ネットワークのアップグレードと合わせて16~17年に1580億バーツに達する。また移動通信サービスの市場規模は16年に2198億4100万~2230億6400万バーツとなり、15年見積もりの2128億1600万バーツから3・3~4・8%増が期待される。特にデータ・サービスの市場規模は16年に1316億5200万~1336億9300万バーツ、前年比20・6~22・5%増と予測した。
 4G時代には、スマートフォンへのHD動画の配信などモバイル・エンターテイメントのサービス市場が成長すると予測されている。またモバイル・クラウド・コンピューティングでもストレージ・サービスなどが成長しそう。最も恩恵を受けそうなのは電子商取引(EC)ビジネスで、Kリサーチは16年のECの市場規模は2300~2400億バーツ、前年比15・0~20・0%増になると見積もっている。スマートフォンの16年の販売台数は1670~1700万台、前年比7・1~9・0%増が期待できる。スマホの市場規模は925億4000万~936億6000万バーツ、前年比3・6~4・9%増が見込まれる。



日付 : 2015年11月16日

By : 週刊タイ経済

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