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9月の工業生産指数3・9%減 設備稼働率は61・10%

 工業省工業経済事務局が一〇月三一日に発表した九月の工業生産指数は前年同月比3・9%減となった。自動車、ハード・ディスク・ドライブ、石油製品、宝石・ジュエリー、タバコなどの生産が減少した。ただし同月の出荷指数は前年同月比で2・3%増と増加に転じている。設備稼働率は61・10%。

 自動車工業の生産は、主に国内市場の不振から減少した。景気の減速や家計債務の膨張で新車需要が冷え込んでいる。また九月の自動車輸出は前年同月比17・49%減少した。アジア、オセアニア、中東、欧州、中南米向けが落ち込んでいる。

 電機・エレクトロニクス工業の生産は前年同月比3・49%収縮した。電機の生産は1・59%増となった。扇風機、電気ポット、エアコン(コンデンシングユニット別タイプ)、エアコン(ファンコイルユニット別タイプ)の生産がそれぞれ順に50・32%、41・72%、8・16%、7・61%増加した。一方でエレクトロニクス製品の生産は4・54%減となった。中でもハード・ディスク・ドライブの生産は9・05%減となった。米国、日本、欧州の主力市場向けの輸出が再び収縮したことが原因。ただし電機・エレクトロニクスの九月の輸出は前年同期比3・26%増となっている。電化製品の輸出が1・05%増、エレクトロニクス製品の輸出が4・37%増となった。集積回路の輸出が増えたことが寄与している。

 鉄鋼・同製品の国内需要は九月に124万トンとなり、前年同月を11・71%上回った。一方、生産量は48万トンで、6・67%増だった。輸出額は7301万ドルで7・58%減、輸入額は6億4162万ドルで7・65%増となった。棒鋼の生産減少は中国からの輸入増が理由で、線材にはアンチ・ダンピング関税(5%)が課されているものの、中国からの輸入は依然として増えている。

 繊維・衣料工業の生産は繊維に関しては前年同期比で増加した。国内外の需要増によるもの、布地の生産は減少したが、国内販売は増加した。既製服は生産が増加した。年末の納品に向けた生産増強が一因。国内消費は上向くものと予測され、海外からの引き合いも持続している。九月の輸出額は繊維で増加した。主力市場のインドネシア向けが23・03%増、パキスタン向けが28・76%増となった。布地の輸出額は減少した。主力のベトナム、バングラデシュ、アラブ首長国連邦向け輸出が細った。既製服の輸出はASEAN、日本向けが伸びた一方、米国、欧州向けは減少した。

 食品工業の生産は全体として前年同月比17・0%減となった。タピオカ、野菜・果物の生産が減少した。輸出は9・75%増となった。米国や欧州などの輸入国の景気が回復する兆しを見せていることが貢献している。


日付 : 2014年11月10日

By : 週刊タイ経済

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