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期間30年の超長期国債発行 籾米担保の負債を借り換え

 財務省は籾米担保貸付政策の負債のリファイナンスのため、期間30年の超長期国債を発行する計画だ。負債額の最大10%を30年国債で借り換える方針。籾米担保政策で国が農業・農協銀行(BAAC)に負っている負債は7520億バーツ。二〇一五年度予算では、元本返済に390億バーツの予算がついているため、残りは7130億バーツとなる。

 ソムマイ・パーシー財務大臣は、国の経済規模はこの借金に比して十分に大きく、籾米担保政策の借金負担は財政政策には影響しないとしている。ただし財政の硬直化を回避し、投資的経費に予算を使えるようにするためには、長い時間をかけて少しずつ返済していく必要があるとしている。

 プラユット首相は一〇月二八日、同政策で国が実質的に買い上げた政府保管米の全国検査の結果を明らかにしている。高い品質を維持していたのは1800万トンある保管米のわずか10%、70%は黄変するなど劣化が進行中。残りは食用には適さないまでに品質劣化が進んでいる。検査では約10万トンのコメが消えていることがわかった。商業省筋は、一三年六月のスパー・ピヤヂット財務省副次官率いる籾米担保監査小委員会が報告した300万トンをはるかに下回る10万トンにとどまっていることは誤差の範囲内との見方を示し、大きな問題にはならないとしている。政府はこの報告書を国家汚職防止取締委員会(NACC)に提出し、良質なコメについては換価の許可を求めることにしている。

 首相は、汚職が関係しているのかどうかについての記者団の質問に対しては、それを見つけ出すのはNACCの義務であり、政府は農家を支援し続けるとしている。商業省筋は米の質が極度に劣化していることについて、国の倉庫や委託先の倉庫のコメがこれだけ大量に劣化するのはありえないと指摘。良質米が古い低品質米と交換される詐欺行為があった可能性が高いとしている。

 商業省は二八日、3回目の政府保管米の入札を実施し、27万トンに対し37者の応札があった。過去2回の入札では14万トンを売り、16億バーツを得ている。


日付 : 2014年11月10日

By : 週刊タイ経済

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