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イチタンと三菱商事 インドネシアの飲料事業に参入

 緑茶飲料製造販売のSET上場企業、イチタン・グループ社は、三菱商事との合弁でインドネシアに進出する。三菱商事とアルファ・グループの合弁会社であるアトリ・パシフィック社(AP)とイチタンが折半出資でインドネシアに飲料製造販売会社を設立することで合意した。イチタンのマーケティング力や商品開発力、APのインドネシアにおける生産、物流面の経験、インドネシア全土を網羅する大手小売チェーンやコンビニエンスストア、伝統的小売業向けの物流網を組み合わせ、「イチタン」ブランドのPETボトル入り茶飲料を製造・販売する。

 新会社「イチタン・インドネシア」の資本金は4000億インドネシア・ルピア(約35億円)。「イチタン」製品のインドネシア国内での販売は二〇一五年から、現地生産は二〇一六年からの開始を目指している。

 イチタンは、タイでのPETボトル入り緑茶飲料ブームの仕掛け人のタン・パーサコンナティ氏が起業した新興飲料メーカー。タン氏は自ら創立したオイシ・グループ社をビア・チャーンのタイ・ビバレッジ社に売却して、イチタン社を設立。わずか1年半でタイ国内の茶系飲料市場で再び最大手の地位を確立している。TV、新聞、雑誌やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを駆使したマーケティング力や高い商品開発力が武器で、創立者のタン氏自らが広告プレゼンテーターとなり、タイの消費者から人気を得ている。

 三菱商事によれば、インドネシアの清涼飲料市場は約4000億円規模(二〇一三年)、年間成長率は13%と推定されている。中間層の所得向上にともない二〇二〇年頃には1兆円規模になると予想されている。インドネシアの清涼飲料市場では、茶系飲料がミネラルウォーターなどの水飲料に次ぐ市場規模となっており、今後健康志向の高まりから、さらなる需要拡大が期待されている。

 イチタン社のタンCEOは、来年のASEAN経済共同体(AEC)発足を前に、飲料事業のASEAN展開を模索していた。インドネシアはASEANで最多の人口で、茶系飲料の市場も大きいことから最初の進出先に選んだ。インドネシアの茶系飲料の市場規模はタイの5倍以上。若い世代が多いため、SNSを駆使しての市場展開を考えている。


日付 : 2014年09月08日

By : 週刊タイ経済

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