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花王がASEANで事業拡張 タイ、インドネシアに4百億円

 花王は二〇一五~一八年にタイとインドネシアで400億円を投じる工場拡張計画を発表した。花王本社でアジア、アメリカ、欧州、中東、アフリカのコンシューマー事業を担当している齋藤幸三執行役員は、タイがASEAN地域の重要な生産拠点であるため、タイの経済が良いか悪いかにかかわらず、タイへの投資は続けると述べている。タイ、インドネシアでの生産拡張は、来年終わりのASEAN経済共同体(AEC)発足後に予測される需要増に対応することが狙い。

 齋藤氏によれば、花王は洗剤、生理ナプキンやベビー商品の生産設備を両国に等しく分配する方針を明らかにしている。タイで増強する設備は、主に内需とラオス、ミャンマー、カンボジアと言った近隣国の需要に対応する。チョンブリ県アマタナコン工業団地にある花王の工場は、製品の一部を中東や南アジアにも供給していく。

 現在、花王は消費財分野において、ASEANでタイ、インドネシア、ベトナムの3か所に生産拠点を持つ。タイ工場は、ヘアケア/スキンケア、家庭品、生理ナプキン、ベビー用おむつなどをASEAN諸国に輸出している。ベトナム工場はスキンケア商品を生産し、主にベトナム国内市場に供給しているほか、一部は日本にも輸出している。ベトナムでは近く、ベビー商品の生産も開始する。インドネシア工場は内需向けにスキンケア商品、生理用ナプキン、洗剤を生産している。

 花王のインドネシアにおけるコンシューマープロダクツ事業の現地法人である、花王インドネシアは今年六月半ばに、インドネシア西ジャワ州のカラワン工業団地で建設を進めていた第2工場の竣工式を行なっている。これにより、既存の第1工場(西ジャワ州ブカシ県チカラン)と合わせて生産体制の強化を図っている。インドネシア第2工場では、衣料用洗剤「アタック」とベビー用紙おむつ「メリーズ」を生産する。花王本社の澤田道隆社長は、インドネシアはグローバルな成長を目指す花王にとって重要な市場の一つだとし、新工場は将来的にインドネシア国外へも製品を送り出すグローバル生産拠点としての役割を担っていくことになるとしている。


日付 : 2014年08月18日

By : 週刊タイ経済

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