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週刊タイ経済
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タイ中銀の月例経済金融報告
7月31日の発表より

 タイ経済は6月も引き続き拡大した。海外需要が上向き続けていることに従って輸出が多くの物品で順調に拡大したほか観光業も成長を続けた。国内支出では民間消費が特にサービスと耐久財消費で拡大した。一方で工業生産は横ばい。国内販売のための生産はまだ良くなっておらず、いくつかの工業は在庫調整の最中にある。
 経済安定性については、一般インフレ率は低下し続けている。燃油の国内小売価格と生鮮食品物価が下落したことが理由。季節調整済み失業率は前月からわずかに低下した。他方、経常収支は黒字基調が続いている。輸出部門と観光部門における収入の増加が寄与している。
 6月の景気動向の詳細は次のとおり。
 物品輸出額は前年同月比7・6%増となった。金地金を除いた輸出額は9・9%増。引き続き多くの物品で拡大した。電子製品と映像機器、特にスマートフォンの日本と中東地域向け輸出が伸びている。ハード・ディスク・ドライブ(HDD)の輸出は前年のタイへの生産拠点再配置による効果を得ている。また集積回路の輸出はモノのインターネット(IoT)機器、カーエレクトロニクス、スマートフォンの新機種向けの部品需要が伸びている。原油相場に連動して価格が変動する製品群の輸出は、石油製品と石化製品の輸出数量増により増加した。中国とアセアンの需要が拡大している。アグロインダストリー製品の輸出は、ゴム製品、砂糖の輸出増に支えられ拡大した。農産物はコメ、天然ゴム、果物の輸出が増えている。このような多くの物品の輸出増の結果、輸出向け生産は増えている。しかしながら国内の需要に応えるための生産はまだ良くなっていない。加えて一部の工業では在庫の放出で対応している。その結果、工業生産は前年同月比で横ばいとなっている。
 外国人観光客数は前年同月比11・4%増で、季節調整済みの前月比では4・9%増となった。ほぼ全ての国からの観光客数が増加した。特に中国人観光客は前年同月比と季節調整済み前月比でプラス成長に転じ、伸び率は昨年10月の違法ツアー摘発前の水準を上回った。またアセアンからの観光客数も高い伸びを続けている。ラマダンの影響で比較ベースとなる前年同月の数値が低かったことが一因。この月にはマレーシアとインドネシアからの観光客数が高い伸びとなった。
 民間消費は成長を続けている。観光客数の増加に沿ってサービスの消費が拡大している。また耐久財の支出は主にマイカーの購入にともない拡大した。いずれにしても購買力の支援要因はまだしっかりとしたものにはなっていない。消費者の所得は農業部門と非農業部門の双方で上向いてはいるものの、消費者の信頼感は農産物の価格動向への懸念や将来の雇用機会に対する不安感から低下している。このため一部の消費者は支出に慎重なままでいる。
 民間投資の指標は小幅収縮した。建設投資の収縮によるもので、建材の販売数量と建設許可面積が特に商工業において落ち込んだことが理由。他方、設備投資は全体として拡大した。
 移転金を除く政府支出は前年同期比で収縮した。投資支出が、特にモーターウェイ建設事業での国道局と地方国道局の予算消化の執行加速の反動から落ち込んだ。ただし経常的経費は人件費を中心に伸びている。
 物品輸入額は前年同月比で12・8%増となった。金地金を除けば9・0%増。特に燃料を除く原材料・中間財の輸入は高い伸びを続けている。スマートフォンや電化製品の生産のための部品輸入が増えている。これら製品の輸出が好調なことに沿ったもの。航空機、原油採掘プラットフォームを除く資本財の輸入は、特に通信機器で伸びた。燃料の輸入はほぼ全ての物品で拡大した。例外は原油で、前月に輸入が加速していた反動から収縮した。また一部製油所がメンテナンスのため運転を休止したことも一因。
 経済安定性に関しては、一般インフレ率が0・05%減となり、前月の0・04%減に近似したものとなった。燃油の国内小売価格の下落と生鮮食品物価、特に野菜・果物価格の下落によるもので、市場出荷量増と比較ベースとなる前年の価格水準が旱魃の影響から高くなっていたことが理由。一方、コアインフレ率は0・45%増で、前月に近似した水準となった。季節調整済みの失業率は前月からわずかに低下した。経常収支は黒字。貿易収支が黒字となった。純輸出が拡大したことが寄与している。資本収支は純流出となった。タイ企業による海外直接投資、タイ人投資家による債券と株式の海外証券投資での流出、外国為替ポジション調整のための預金引き受け金融機関による海外預金での流出と海外投資ファンド(FIF)への投資による。
 第2四半期のタイ経済は成長を続けた。主な推進力は物品輸出の順調かつ広範な拡大と観光業の成長持続にある。国内経済は緩やかな回復基調にあり、第1四半期に比べて政府投資支出と耐久財の消費支出が経済の主要な推進力になっている。民間投資はほぼ横ばい。設備投資は上向いており、建設投資の収縮を穴埋めしている。工業生産は横ばい。一部の工業での在庫調整に加え、国内需要に応えるための生産が引き続き収縮している。経済安定性に関しては、一般インフレ率が低下し続けている。市場出荷量増による生鮮食品物価の下落によるところが大きく、前年同期の物価が旱魃の影響で上昇していたハイベース効果もある。失業率は季節調整済みで前四半期比横ばい。また経常収支は黒字が続いている。輸出と観光業の収入が上向いている。

三菱自動車タイ
国内トップ3入り目標
中期経営計画

 三菱自動車タイランドは、タイの新車市場でトップ3ブランド入りを目指す中期経営計画を発表した。タイの自動車市場はトヨタ、いすゞ、ホンダが上位を占める。三菱自は4位ながら上位との差は大きい。一寸木守一社長は新モデルの投入とサービスの改善により上位との差を縮めていきたいと述べている。
 一寸木社長は、今後3~5年でトップ3入りという目標を達成するためには、顧客満足度の部分で改善の余地が大きいと述べている。JDパワーが選ぶ顧客サービスのランキングを見ると、三菱は昨年の順位がホンダ、トヨタ、いすゞ、マツダに次ぐ5位に甘んじている。
 今年のタイの新車市場はプラス成長が見込まれている。初めての新車購入奨励政策で購入した車の買い替え需要もあって市場は回復基調にある。一寸木社長は、タイの新車市場は2016年が大底で、今年は上向くと見ている。バスや中大型トラックを除いた新車市場規模について3~5%増となる72万台を見込んでいたが、上半期実績からは上振れが確実で、前年比10%増も可能と見ている。
 上半期の国内新車販売台数は前年同期比11・2%増となる40万9976台。トヨタは11万2488台でトップに立ち、いすゞが7万7109台、ホンダが6万1428台で続く。三菱は前年同期比13・8%増と躍進し4位につけているものの、販売台数は3万2537台となっている。
 1~6月の三菱自の販売台数の内訳は1トン・ピックアップ・トラックの「トライトン」が1万5207台(41・5%増)、PPVの「パジェロ・スポーツ」は7222台(26・8%減)、エコカーの「アトラージ」が5674台(35・1%増)、同じくエコカーの「ミラージュ」が4434台(21・3%増)。
 一寸木社長は下半期も販売は好調に推移し、通年での新車市場における三菱自のシェアは8%を上回ると期待している。一方、三菱自の上半期における完成車と完全ノックダウン(CKD)の輸出台数は14万9000台だった。通年目標は32万6000台。
 三菱自はチョンブリ県レムチャバン工業団地に組立工場3棟とエンジン工場1棟を持つ。最初の工場は1992年に開設され、乗用車とPPVを生産している。第2工場は1996年から1トン・ピックアップトラックとPPVを生産している。第3工場は2012年にオペレーションを始め、エコカーを生産している。エンジン生産の子会社のMMTHエンジンは08年に設立され、年50万2000基のガソリン/ディーゼル・エンジンを生産している。タイ生産拠点は三菱自の全生産高の30%を占め世界最大規模。

大塚製薬がタイに新会社
ポカリスエット拡販

 大塚製薬は1日にホテルオークラ・プレステージ・バンコクで開いた記者会見で、タイに健康飲料・食品事業を手がける新会社「大塚ニュートラシューティカル(タイランド) 」を設立したと発表した。経済成長、健康意識の高まりとともに健康飲料・食品の需要拡大が見込まれるタイで、トータル・ヘルスケア・カンパニーとして事業拡大を目指す。
 新会社は今年5月に資本金3億バーツで設立され、7月17日より営業を開始している。出資比率は大塚製薬が90%、タイ大塚製薬が5%、サハパタナ・インターホールディングが2.5%、サハパタナピブンが2.5%。大塚製薬は1973年に初の海外拠点としてタイ大塚製薬を設立し、医療用医薬品の海外展開を開始した。健康飲料の「ポカリスエット」は98年から現地代理店や関係会社を通じて販売していた。
 新会社の串田高歩社長は、タイでは健康意識も高まってきており、今後の健康飲料・食品の需要拡大が見込まれると指摘。自社展開によるタイでの全国規模のマーケティング活動を活発化し、「ポカリスエット」ブランドの知名度を上げていきたいと述べている。

外国人就労管理強化
水産業で人手不足深刻

 タイ水産業協会によれば政府による外国人出稼ぎ労働者の就労に関する管理が強化されたことで、国内水産業は7万4000人に達する出稼ぎ労働者の人手不足に直面している。
 元々労働者不足によって1万6000隻の漁船が過去2年間操業できない状態で、その機会損失総額は200億バーツに達するという。また水産品の供給が40~50%も落ち込んだことで価格も上がっている。

川崎重工
ガス・タービン拡販

 川崎重工業はタイでのガス・タービン販売を強化する。小規模民間発電事業(SPP)や極小規模発電事業者(VSPP)が主なターゲットで、2025年までに500メガ㍗分の販売を見込んでいる。
 タイは川崎重工にとってガス・タービンの日本以外での販売で最大の市場となっている。出力5・2~7・2メガ㍗級のガスタービンは神戸工場で生産している。
 川崎重工は最近、ラチャブリ・エレクトリシティ・ジェネレーティング・ホールディング社(RATCH)が砂糖工場と組んで開発したコージェネ発電所向けに3基のガスタービンを販売した。今年は最大10基の販売を目指す。

 

最近の更新 2017年08月14日
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