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週刊タイ経済
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日産がEVを投入へ

 日産自動車タイランドは30日に開幕したタイランド・インターナショナル・モーター・エキスポに電気自動車(EV)の量販モデルである新型「リーフ」を出展した。フルモデルチェンジした新型は9月初旬に日本で発表したばかり。日産リーフは2010年に発売した初代モデルが全世界で29万1000台販売されている。
 日産自動車タイのアントワ・バルテス社長は、タイの消費者の反応を見てみたいと述べており、現時点では予約は受け付けておらず、小売価格もまだ設定されていない。
 バルテス氏は、タイ市場が近い将来に内燃機関を持った自動車からEVにスムーズに移行する可能性は高いと述べている。出展した新型リーフは従来モデルを上回る60㌔㍗時の駆動用バッテリーを搭載し、日本規格のJC08モードで400キロメートル走行が可能。

タイ中銀の月例経済金融報告
11月30日の発表より

 タイ経済は10月も引き続き拡大した。海外の需要増に沿って物品輸出と観光業が順調に拡大した。また前年の数値が低かったローベース効果もあった。他方、政府支出は経常的経費と投資的経費の双方で拡大した。工業生産は一時的な要因もあって、ほぼ横ばい。民間投資と民間消費はやや鈍化した。
 経済安定性については、インフレ率と失業率は季節調整済みの前月比で横ばいとなった。一方、経常収支は黒字基調が続いている。輸出と観光収入が寄与している。
 10月の景気動向の詳細は次のとおり。
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 物品輸出額は前年同月比13・4%増となった。金地金を除いた輸出額は14・1%増。全ての主要市場向けと、ほぼ全ての商品分野で増え続けている。自動車・同部品では、商用車と乗用車の輸出が増えたほか、自動車部品でもタイヤ、ギアボックス、エンジンの輸出が伸びた。電子・映像機器は、ハード・ディスク・ドライブ、スマートフォン、集積回路の輸出が伸びた。原油相場に連動する製品の輸出額は輸出価格、輸出数量ともに増えた。特に石油製品と石油化学製品の輸出が伸びた。アグロインダストリー製品ではゴム製品の輸出が増加した。
 工業生産は前年同月比で横ばい、季節調整済みの前月比では収縮した。通常よりも休日が多かったことと一部工業でのこれより前の生産加速の反動減が理由。いずれにしても輸出関連の多くの工業の生産は順調に伸びている。
 外国人観光客数は前年同月比20・9%増だった。ほぼ全ての国からの観光客が増えた。また違法ツアーの取り締まりがあった前年の数値が低くなっていたローベース効果もあった。季節調整済みの前月比で外国人観光客数は1・6%増となった。
 移転金を除く政府支出は経常的経費と投資的経費の双方で拡大した。経常的経費は定年を迎えた公務員の退職金支給によって増大した。投資的経費は大学の建物建設と事務機器の調達、県集団の住宅・コミュニティ開発のための予算消化のほか、主要機関による執行額も伸びた。
 民間投資は前月から幾分上向いた。設備投資の指標では資本財輸入が、通信、エネルギー、精密機械など多くの業種で上向いた。しかしながら国内機械販売台数と国内商用車販売台数は前月から伸びがやや鈍化した。また建設投資の指標は前月から横ばい。建設許可面積はサービス業と運輸業で伸びたが、建材の販売数量は減少した。多くの地域で洪水問題が生じたことが理由。
 民間消費は一時的な要因から鈍化した。主に非耐久財と半耐久財の消費が鈍った。購買力を支援する要因は総じてまだしっかりとしたものにはなっていない。農業所得は収縮に転じた。農産物の価格と収量の双方が減少した。非農業部門の所得は横ばい。
 物品輸入額は前年同月比で16・6%増となった。金地金を除けば18・4%増。ほぼ全ての製品の輸入が増えた。燃料では特に原油の輸入が増加した。前月の収縮からの反動。燃料を除く原材料と中間財では金属、化学、集積回路、コンピュータ部品の輸入が増えた。電子製品の輸出増に沿ったもの。航空機を除く資本財では機械、特に通信機器の輸入が増えた。消費財では、食品・飲料、医薬、化粧品などの非耐久財の輸入が増加した。
 経済安定性に関しては、一般インフレ率が0・86%増となり、前月から変わらず。
 失業率は季節調整済みの前月比で横ばい。
 経常収支は、輸出部門と観光部門が好調なことを背景とした貿易収支とサービス・所得・移転収支の黒字を受けて黒字基調が続いている。
 資本収支はネットアウトフローとなった。預金引受金融機関が外貨ポジション調整のために借り入れていた外貨を返済したことと、外国人投資家によるタイ国債の売り越し、タイの企業部門による海外直接投資が理由となっている。

ターゲット十業種
現場技術者養成
8億6100万B拠出

 政府は2018年度(17年10月~18年9月)予算で、東部経済回廊(EEC)政策の振興対象となっているターゲット産業に、向こう5年間に4万人の現場技術者・工員を供給するための人材育成費8億6100万バーツを計上した。ターゲットの10業種は次世代型自動車、スマート電子、医療・ヘルスツーリズム、農業・バイオ技術、食品、ロボット・自動化、ロジスティック・航空、バイオ燃料・バイオケミカル、デジタル、医療サービス。
 サタヒープ高等専門学校で採用され、一定の成果を収めている「サタヒープ・モデル」と呼ばれる奨学・研修制度を積極的に導入する方針。このモデルでは、貧困家庭の子弟で一定の学業成績をクリアした生徒を対象に日払い形式の奨学金を支給するもので、企業が財源を提供する。サイアム・セメント・グループ、ミシュラン、タイ・オイル、首都電力公団などの企業がすでに参加している。当面は指定地域内の高専で導入し、段階的に全国展開する。また高専での教員育成にも力を入れ、10業種を指導できる教官を150人以上育成する方針。  タイ工業連盟(FTI)によれば、東部で操業している工場では現場技術者・工員が年間5万人欠乏しているという。

中小企業の上場支援
BOIが特別優遇

 投資委員会(BOI)は中小企業によるオルタナティブ・インベストメント市場(mai)上場を後押しするための特別投資優遇策を導入する。ドゥアンチャイ・アサワヂンタチット投資委員会(BOI)事務局長が23日に明らかにしたところによれば、プラユット首相を議長に開いたこの日のBOI本会議で優遇策を決定した。
 mai上場企業に対する投資優遇は税免除の金額が2倍に増える。同措置の実施期間は来年1月1日から2020年12月末まで。  このほかに国境県10か所の特別経済区(SEZ)への中小企業による投資促進のため「一貫型貿易・商品開発センター」を新たに投資奨励の対象に加えることを決定した。投資申請の期限は2018年末まで。8年間の法人税免除とその後5年間の50%免除特典がつく。

シャープ
TV受像機生産を強化

 シャープはマレーシアなど周辺諸国に移転していたTV受像機の生産ラインをタイに再配置する。すでに9月に300万㌦を投じてナコンパトム工場に設備投資を行っており、年間50万台の生産体制を整備しつつある。将来的にはCLMV諸国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)やインドへの輸出も見据えて年間100万台の生産能力を実現したい考え。
 昨年、台湾の鴻海グループが66・6%を保有する筆頭株主となったことで日本本社の財務状況が大幅に改善したことや、タイ政府による東部経済回廊(EEC)政策など一連の公共事業投資増による景気拡大への期待感が今回の設備投資に繋がった。
 現在、タイ国内には白物家電品を製造するチャチュンサオ工場とナコンパトム工場の2か所がある。17年度(17年4月~18年3月)の売上高目標は前年度比20~30%増の60億バーツ。
 シャープにとって東南アジアではタイが最大の市場になっており、特にTV受像機の売上構成比が50%に達している。来年にはLEDテレビのほか8Kテレビ(スーパー・ハイビジョンテレビ)も輸入販売する意向で、25~40歳前後の先端技術への関心度が高い年齢層をターゲットに販売戦略を展開する。
 タイのTV受像機市場は年間220万台。シャープのシェアは約30万台で3位グループに位置する。

最近の更新 2017年12月12日
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