外国人事業法に関して

1972年に施行され、1999年に改正されるまでの27年間運用されてきた旧外国人事業法が、タイにおける外資政策に大きな役割を果たしていた。しかしアジア通貨危機発生により、外資導入を推進力とした経済再建の必要性から、1999年10月に改正法が成立、翌2000年3月に施行された。

外国人事業法では、下図のように外国人参入規制業種を3種類に分けている。


(1) 特別の理由により外国人が従事できない事業(9業種)
  1)新聞発行、ラジオ、テレビ
  2)農業、果樹園
  3)畜産
  4)林業、木材加工(天然)
  5)漁業(タイ海域、タイ特別経済地域内)
  6)薬草採取
  7)骨董品(取引、競売)
  8)仏像及び僧鉢の製造、鋳造
  9)土地取引
(2) 国家の安全、文化的な影響、伝統、民芸品、自然環境に関する産業のため従事できない事業(13業種)
  (閣議承認を得て、商務大臣の許可が必要)

 (A)安全保障
  1)製造、販売、補修
    (銃、銃弾、火薬、爆発物及びそれらの部品、武器及び戦闘用船、飛行機、車輌、すべての戦争用の備品、部品)
  2)国内陸上・海上・航空運輸および国内航空事業
 (B)文化・工芸の保護
  1)骨董品・民芸品販売
  2)木彫品製造
  3)養蚕・絹製糸・絹織布・絹織物捺染
  4)タイ楽器製造
  5)金銀製品・ニエロ細工・黒金象眼・漆器製造
  6)タイ文化・美術に属する食器製造
 (C)環境・資源の保護
  1)サトウキビからの精糖
  2)塩田、塩土での製塩
  3)岩塩からの製塩
  4)爆破・砕石を含む鉱業
  5)家具および調度品の木材加工
(3) 外国人に対してタイ人が充分な競争力を有していない産業のため従事できない業種(21業種)
  (外国人事業委員会承認を得て、商業省商業登記局長の許可が必要)

  1)精米・製粉
  2)漁業(養殖)
  3)植林
  4)ベニア板・チップボード・ハードボード製造
  5)石灰製造
  6)会計サービス
  7)法律サービス
  8)建築設計サービス
  9)エンジニアリングサービス
  10)建設業
      (ただし外国人投資が5億バーツ以上で特殊な技能を要する建設(インフラ、通信等)、その他の省令で
        規定された建設業を除く)

  11)代理・仲介業
      (ただし証券・農産物の先物取引、金融商品売買に関するサービス、同一グループ内の生産に必要な
        財取引、外国人資本1億バーツ以上の国際貿易仲介、その他省令で規定された代理・仲介業を除く)

  12)競売(骨董品・美術品以外の国際間競売、その他省令で定める競売)
  13)国内農産物の国内取引
  14)資本金1億バーツ未満、または一店舗あたり資本金2,000万バーツ未満の小売業
  15)一店舗あたり最低資本金1億バーツ未満の卸売業
  16)広告業
  17)ホテル業(ただし、マネジメントを除く)
  18)観光業
  19)飲食物販売
  20)植物の繁殖・品種改良
  21)その他サービス業(省令で定めるものを除く)

 

上記制限事業に関しては、年に最低1回開催される外国人事業委員会での検討を経て、法律や勅令によって変更される。外国企業は、第1項に規定されている業種に参入することはできないが、第2項に関しては、内閣の承認を得て商務大臣の許可があれば参入可能である。同様に第3項に関しては、外国人事業委員会の承認を得て商業省商業登記局長の許可があれば参入可能である。しかし、従来通り、第2項、第3項に該当する制限事業であっても、投資奨励法や工業団地公社法によって投資奨励を受けていれば参入が可能である。

また、外国人がタイで事業を開始するに際して、新たに最低投資額を規定している。金額は業種ごとに省令で定められるが、規制業種に該当しない場合は最低200万バーツ、規制業種に該当する場合は最低300万バーツを投資しなければならない。タイ資本マジョリティの法人には最低資本金の規制はない。

 

 
 
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